紀伊半島 熊野市 大谷山(680m)、天神丸山(784m)、久留米木山 (831m) 2010年12月31日

所要時間 7:14 深沢口−−8:00 大谷峠−−8:20 768m峰−−9:12 大谷山 9:25−−10:17 768m峰−−10:28 大谷峠−−10:52 天神丸山 11:08−−11:29 690m鞍部−−12:00 久留米木山−−12:16 690m鞍部−−12:24 大峪隧道南入口−−12:44 深沢口

概要
 深沢峠から南に延びる破線から登る。大谷峠までは古道あり。その先の尾根上は768m峰を越えて649m峰手前の620m肩まではほぼ植林帯が続いて歩きやすいが、その先から大谷山までは稜線西側が若い植林帯で稜線上の日当たりが良くイバラ混じりの藪が繁茂したり、鹿避けのネットが外れて稜線上に広がったりと障害物が多くて猛烈に歩きにくかった。大谷峠→天神丸山→久留米木山はほぼ植林続きで展望は無いが歩きやすい。最後は旧県道トンネル南側入口に降り立つ。ここには久留米木山登山口の標識あり


 前日は夕方くらいまで雨が降り夜になって晴れはしたが藪が濡れていないか少し心配だった。そこであからさまに藪が予想される山は止めておき、少なからず地形図に破線がある山を登ることにした。もちろんいくつかの山が集まって効率的に数が稼げればなおよく、地図を見て熊野の大谷山、天神丸山、久留米木山を目指すことにした。ここだと旧県道途中から破線が上がっており、少なくとも大谷峠までは道があるようだ。たぶんそこに到着する頃には藪の水も乾くような時間になっているだろう。

ここから登った。明瞭な道あり 狭い駐車余地

 狭い県道を上がっていくと途中で道幅が広がり、そのまま行くと新大峪トンネルで山向こうの七色ダムに抜けてしまうので、途中で旧道に入る必要がある。ところがそこには車止めがしてあって通行止めの表示があった。ここまで来て諦めるのはあまりにも残念である。よく見ると車止めといっても路面のアスファルトに穴を開けて大きな鉄の杭を立て、そこにロープを結んだだけの簡単なものであり、手で開閉可能だった。人に迷惑をかけるわけでもないのでここは通過させてもらう。もちろん入ってから元に戻すのは忘れない。細い舗装道を上がっていくと地形図の破線の起点場所には明瞭な踏跡があり、どうやら道の心配はなさそうだ。近くのカーブミラーには「深沢口」との書込みがあった。道幅が狭く近くにはまともな駐車スペースが無いが、少し下った所に車1台を突っ込める程度のスペースを発見し、そこに車を置いて歩きだした。

登山口の案内落書き こんな橋まであった
石畳登場 石の階段が続く

 出だしから沢にはしっかりした橋がかかっており、旧県道は通行止めになっているがここを歩く人は少なからずいると思われた。周囲が伐採されて開けた谷沿いを登っていくと杉の植林帯に入り、今度は石畳の道になった。わざわざ植林のためにこんなご丁寧な道を作るとも思えず、たぶん昔からある古道なのだろう。熊野古道もこんな感じなのだろうか。

 いつの間にか深沢峠を通過してしまい東斜面を巻くルートになる。谷筋を横断する箇所では少し道が崩れたところもあったが、概ね良い状態が続く。新しそうなリボンもぶら下がっており団体様が歩いたようだ。今日は朝から風が強く周囲の木がざわついているが、ここはまだ強風が直接当たらないので体を動かしていれば体感温度はまあまあだ。これが落葉樹林帯なら日当たりもあって快適なのだが。

目印は多い 大谷峠

 小尾根を乗り越えると下りが始まると同時に冷たい北よりの風が吹きつけてTシャツでは寒すぎるので長袖シャツを着た。緩やかに下っていくと最低鞍部が大谷峠で、古そうな文字の標石も立っていたので本当に古道らしかった。明瞭な道はここまででこの先は踏跡程度に薄まるが、地面は一面杉の落ち葉に覆われて藪は皆無なので全く問題無しだ。尾根を外さなければそれでいい。

大谷峠から尾根を北上 露岩交じり
まだ登る 768m峰。「高峰」の標識あり

 768m峰を登っていると西からの風がいっそう強まり、登りなのに長袖シャツでも寒さが我慢できなくなりダウンジャケットを着た。登りでダウンを着るなんて最近では記憶にない。気温は-2,3℃だか風が直接吹きつける中では体感温度はぐっと下がる。結構な傾斜をよじ登り、露岩を適当に巻いたりしながら進んで行くと768m峰てっぺんに到着。ここには手製の「高峰」の山頂標識があった。たぶん山名事典にも無いだろうな(まだ調べていない)。山頂も一面の杉植林で展望は皆無だった。

768m峰から誤って北東尾根を下ってしまった 660m肩で主稜線が見えてルートミスに気付いた

 主稜線は768m峰から真北に下る尾根だが、南から上がってきてそのまま直進すると自然に北東尾根に引き込まれるのだった。そんなことには全く気付かず快調に下っていき、傾斜が緩んだ660m肩で僅かに樹林が開け左の方に明瞭な尾根が見えることに気付いた。ここで間違いに気付いて768m峰てっぺんまで戻ろうかと考えたが、さほど傾斜がきつい御斜面ではないのでこのまま北斜面をトラバースすることに。ここも杉植林帯で藪は皆無で、間伐された木が邪魔なだけだった。縦横無尽に獣道があって大いに利用価値があった。ほとんど高度を失うことも上げることもなく主尾根に合流できた。

トラバースして正規の尾根に乗る 開けた620m峰
620m峰から見た北側の展望(クリックで拡大)

 再び深い杉植林の尾根を緩く登ると620m峰に到着。ここは稜線及び東斜面が伐採されて北から東にかけて展望が開けていた。それと同時に日当たりがいいせいか尾根上は茨の藪が覆って進むのが大変だった。厚手のズボンでも履いていればいいのだが私の場合は発汗対策で冬でもジャージなので、棘藪の棘は簡単に付きぬけてしまう。足のあちこちに擦り傷を作ってから嫌気がさし、稜線ではなく西斜面の植林帯をトラバースしたが、こちらの方がずっと歩きやすかった。

620m峰を下ると再び植林帯 620m肩より先は食害防止ネットと藪が進路を阻む

 再び歩きやすい植林の尾根となって歩行スピードが上がったが、西からの尾根が合流する620m肩で食害防止柵が現れるとさっきの棘藪同様に状況が悪化した。棘藪だけでなく古い食害防止ネットが支柱から外れて稜線上の踏跡上を覆っていて、まるで障害物競走のように足に絡みつくのだ。さすがにこれは鬱陶し過ぎるので西に逃げて檜幼木の植林中を歩くか、逆に稜線東を歩くかになるが、植林の中もまだ樹木が小さくて日当たりがいいので藪っぽく、間伐された木が邪魔をしているし、稜線東は笹が生い茂ってこれまた歩きにくい。結局、大谷山山頂までその状態が続き、今回の年末年始シリーズの中では一番歩きにくい区間となった。

大谷山直下でモノレール登場 大谷山山頂。標識は1つだけだったと思う

 大谷山が近づくと稜線西直下にモノレールが登場、レール周辺は刈り払われているので歩きやすくそちらに乗り移る。山頂直下でモノレールが稜線から逃げたので再び藪っぽい尾根を巡り、大谷山山頂に到着した。山頂は杉植林の中で全く展望無し。手製標識がかかっていたがあまり訪問者が多いようには見えなかった。山頂にはモノレールのレールが延びていて、出発点がどこなのか分からないが、このモノレールを使えば大谷山山頂まで全く歩かず到着できてしまうのだった。

大谷峠再び 峠から主稜線を登る
露岩帯登場 天神丸山方向。たぶn山頂はまだ見えていない

 620m肩までは帰りも苦労、620m峰は西から巻いてしまい棘藪突入は回避した。これを通過すればあとは歩きやすい杉植林帯が少なくとも大谷峠までは続く。大谷峠から道は尾根を東に巻き始めるが、天神丸山に登るには尾根上を行った方が近いので直進する。尾根には踏跡が見られ、ここから天神丸山に登る人がいるようだ。部分的に自然林になり、ここだけは露岩が並んで植林に向かなかったようだ。よじ登るような岩があるわけではないので山歩きには支障はなかった。

天神丸山山頂 天神丸山の手製標識群

 傾斜が緩んだら山頂かと思ったらまだ三角点は出現せず、しばし歩いたらいくつもの手製標識が掲げられた天神丸山山頂に到着。山ねずみ氏の標識もあった。ここで一休みしたいが山頂も一面の杉植林帯で展望も日差しも無く風が吹きぬけ寒いため、もう少し先に行って日当たりのある場所を探すことにして山頂は写真撮影だけして通過した。幸い、山頂のすぐ先で倒木帯があって頭上の空間が開けて日当たりがある場所を発見、風が避けられる尾根南側で休憩した。

天神丸山から西の尾根は道は明瞭 電波反射板
さらに下る 690m鞍部。稜線の北直下を通過

 この先はしばしなだらかな尾根歩きが続く。展望の無い変わり映えしない植林帯が続くので面白みはない。途中、電波反射板が立っていてここが最低鞍部かと思ったがその先で本当の鞍部があった。小さな標識がかかっていたので峠名も書かれていたと思うが写真撮影しなかったので分からなかった。帰りはここから適当に南に下り、大峪隧道南入口で旧県道に下る予定である。

690m鞍部より登りにかかる ここで道と分かれて尾根を登る
結構な傾斜 露岩帯

 690m鞍部から登りにかかり踏跡に従って進んでいくと、尾根の傾斜がきつくなったところで道は尾根を南に外れて巻き始めた。この道が久留米木山に通じているのか、それともこのまま山腹を巻き続けるのかは分からないので、ここで道を離れて尾根を登ることにした。杉の落ち葉が深い斜面はけっこうな傾斜で高度を稼ぐ。やがて露岩が登場すると自然林になるのは天神丸山の登りと同じで、こちらは岩が大きいので隙間の歩きやすい場所を選んで登っていく。岩が少なくなると再び杉植林帯だ。

800m峰を南に下る 820m峰の登り

 標高800m峰は何も目印は無いが進路はここで左に折れる必要がある。鞍部に下ると道が登場、まさかさっきの巻き道の続きか? 帰りはこれを下ってみよう。820m峰の登りは再び大き目の露岩が目立つようになり、尾根に西側を巻き気味に進んだ。

ルート上の階段もどき ネット登場だが障害物と化していない
まもなく山頂 留米木山山頂

 820m峰を越えて山頂手前で東へ太い尾根が分岐する箇所で鹿の食害避けネットが登場、しかしここは大谷山と違って木が成長して日当たりが悪い影響か藪は皆無、快適に進めた。そして植林の平坦地の一角に久留米木山の山頂標識が登場、顕著なピークではなく山頂らしからぬ情景だった。でも複数の山頂標識があり、それなりの数の登山者がいるようだった。もちろん山ねずみ氏の標識も混じっていた。

800m峰南鞍部 ←を東に下る
巻き道登場 再び690m鞍部

 このまま南下して丸尾山に足を延ばす手もあるのだが、ここはその南の長尾山から往復した方がお得なので今回はパスし下山にかかった。800m峰手前の鞍部で右に下る道に乗り、どこに降りるのか確認してみることに。もし旧県道から離れて下るようなら適当な場所から下ってしまおう。最初は谷に沿って東に下っていったが、やがて800m峰から東に落ちる尾根の南側を巻くように下り始め、そして私がトラバース道から離れて尾根を登った箇所に戻った。結局は740m鞍部から西に伸びる道を素直に歩くと800m峰をパスしてその南の780m鞍部に出られたのだった。

690m鞍部から西に向かう道 下ってきた斜面を振り返る
旧県道に出た トンネル左側に登山口標識あり

 690m鞍部からは西に向かう道らしき筋があったがどこに下ろされるのか分からないので南斜面を適当に下った。ここも一面の杉植林帯が続いて藪は皆無、視程はやや短いが車道が現れても見落とすほどではなく、トンネルにそこそこ近い所に出られれば問題なかろう。地形図では浅い谷地形をまっすぐ下っていけばトンネルにぶち当たることになっている。いい傾斜を快調に下っていくと目論みどおりトンネル上部に出ると同時に予想外の道が右から現れた。道を下るとトンネル南口のすぐ脇に降り立ち、そこには「久留米木山登山口」の標識があるではないか。これを登ると690m鞍部の道に出るのであろう。

 あとは車の通行が皆無の舗装された旧県道を歩いて車に戻った。

 

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